未来学校プログラミング教室
<高校数学>行列
\begin{bmatrix} 23 & 20 & 18 \\ 24 & 21 & 17 \end{bmatrix}
上のように、表したものを \( (2,3) \) 行列と呼ぶ。これより,一般的に \( mn \) 個の数を、長方形状に配列し、カッコでくくった次の形を、 \( (m,n) \) 行列と呼び、 \( (m,n) \) をこの行列の型といい、 \( i \) 行と \( j \) 列が共通する成分 \( a_{ij} \) をこの行列の \( (i,j) \) 成分と呼ぶ。
\begin{bmatrix} a_{11} & a_{12} & \cdots & a_{1n}\\ a_{21} & a_{22} & \cdots & a_{2n} \\ \vdots & & & \ddots & \vdots \\ a_{m1} & a_{m2} & \cdots & a_{mn} \end{bmatrix}
一般的に、同一の型の行列 \( A,B \) の和 \( A+B \)、差 \( A-B \)および行列の倍数(スカラー倍) \( sA \) は次のようになる。
\[ A= \begin{bmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \end{bmatrix} \]
\[ B= \begin{bmatrix} b_{11} & b_{12} & b_{13} \\ b_{21} & b_{22} & b_{23} \end{bmatrix} \]
のとき、
\[ A+B= \begin{bmatrix} a_{11}+b_{11} & a_{12}+b_{12} & a_{13}+b_{13} \\ a_{21}+b_{21} & a_{22}+b_{22} & a_{23}+b_{23} \end{bmatrix} \]
\[ A-B= \begin{bmatrix} a_{11}-b_{11} & a_{12}-b_{12} & a_{13}-b_{13} \\ a_{21}-b_{21} & a_{22}-b_{22} & a_{23}-b_{23} \end{bmatrix} \]
\[ sA= \begin{bmatrix} sa_{11} & sa_{12} & sa_{13} \\ sa_{21} & sa_{22} & sa_{23} \end{bmatrix} \]
ここで、 \( O \) はすべての成分が0の行列で、零行列と呼ぶ。
\[ O= \begin{bmatrix} 0 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & 0 \end{bmatrix} \]
例・・・ 次のような行列 \( A,B \) を考える。
\[ A= \begin{bmatrix} 5 & 9 & -3 \\ -6 & 4 & 2 \end{bmatrix} \]
\[ B= \begin{bmatrix} 2 & 6 & -2 \\ -4 & 1 & 1 \end{bmatrix} \]
この場合、
\[ A+B= \begin{bmatrix} 5+2 & 9+6 & (-3)+(-2) \\ (-6)+(-4) & 4+1 & 2+1 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 7 & 15 & -5 \\ -10 & 5 & 3 \end{bmatrix} \]
\[ A-B= \begin{bmatrix} 5-2 & 9-6 & (-3)-(-2) \\ (-6)-(-4) & 4-1 & 2-1 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 3 & 3 & -1 \\ -2 & 3 & 1 \end{bmatrix} \]
\[ 2A=2✕A= \begin{bmatrix} 2✕5 & 2✕9 & 2✕(-3) \\ 2✕(-6) & 2✕4 & 2✕2 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 10 & 18 & -6 \\ -12 & 8 & 4 \end{bmatrix} \]
また、 \( (n,n) \) 行列、すなわち、行の個数と列の個数が一致する行列を、 \( n \) 次正方行列または単に \( n \) 次行列といい、その \( (1,1) \) 成分、 \( (2,2) \) 成分、…、 \( (n,n) \) 成分を、この行列の対角成分という。
\begin{bmatrix} a_{11} & a_{12} & \cdots & a_{1n}\\ a_{21} & a_{22} & \cdots & a_{2n} \\ \vdots & & & \ddots & \vdots \\ a_{n1} & a_{n2} & \cdots & a_{nn} \end{bmatrix}
行列の乗法は、一般に \( (l,m) \) 行列 \( A \)、 \( (m,n) \)行列 \( B \)
\[ A= \begin{bmatrix} a_{11} & a_{12} & \cdots & a_{1m}\\ a_{21} & a_{22} & \cdots & a_{2m} \\ \vdots & & & \ddots & \vdots \\ a_{l1} & a_{l2} & \cdots & a_{lm} \end{bmatrix} \]
\[ B= \begin{bmatrix} b_{11} & b_{12} & \cdots & b_{1n}\\ b_{21} & b_{22} & \cdots & b_{2n} \\ \vdots & & & \ddots & \vdots \\ b_{m1} & b_{m2} & \cdots & b_{mn} \end{bmatrix} \]
に対して、 \( (i,j) \)成分が、
\[ c_ij = a_{i1}b_{1j}+a_{i2}b_{2j}+...+a_{im}b_{mj} \]
であるような \( (l,n) \) 行列
\[ C= \begin{bmatrix} c_{11} & c_{12} & \cdots & c_{1n}\\ c_{21} & c_{22} & \cdots & c_{2n} \\ \vdots & & & \ddots & \vdots \\ c_{l1} & c_{l2} & \cdots & c_{ln} \end{bmatrix} \]
を行列 \( A \) と行列 \( (B \) の積とよび、 \( AB \)と表す。
\( c_ij = a_{i1}b_{1j}+a_{i2}b_{2j}+...+a_{im}b_{mj} \)を\( A \) の第\( i \)行と\( B \)の第\( j \)列の内積という。
ただし、行列の乗法では、交換法則 \( AB=BA \) は一般的に成り立たない。
例・・・ 次のような行列 \( A,B \) を考える。
\[ A= \begin{bmatrix} 4 & 16 \\ 3 & 12 \end{bmatrix} \]
\[ B= \begin{bmatrix} 6 & -8 \\ -9 & 12 \end{bmatrix} \]
この場合、積 \( AB \) を考える。
\[ AB= \begin{bmatrix} 4✕6+16✕(-9) & 4✕(-8)+16✕12 \\ 3✕6+12✕(-9) & 3✕(-8)+12✕12 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} -120 & 160 \\ -90 & 120 \end{bmatrix} \]
ここで、分かるように、行列の積 \( AB \) ができるのは、
\[ A の列の個数= B の行の個数 \]
のときだけである。
ところで、対角成分がすべて \( 1 \) で、それ以外の成分がすべて \( 0 \) の正方行列を単位行列とよび、 \( E \) または \( I \) などと表す。例えば
\[ E= \begin{bmatrix} 1 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \end{bmatrix} \]
は、3次単位行列である。単位行列は、全ての \( A \) について、
\[ AE=EA=A \]
を満たし、数の\( 1 \)に相当する行列である。
行列の除法についても考える。数の計算では、 \( a≠9 \) のとき、 \( ax=b \) となる \( x \) は、
\[ x=\frac{b}{a}=\frac{1}{a}✕b=a^{-1}b \]
のように、 \( a \) の逆数 \( \frac{1}{a}=a^{-1} \) をかければよかった。そこで、行列の除法も『逆数』を求めるところから考えていく。一般に、 \( n \) 次正方行列 \( A \) に対して,
\( AX=XA=E \)
なる行列 \( X \) が存在するとき、行列 \( A \) は正則であるといい、正則でないとき、特異であるという。(行列 \( A \) が正則であるとき、 \( AX=XA=E \)を満たす行列 \( X \) はただ一つしかない。)
そこで、行列 \( A \) が正則のとき、 \( AX=XA=E \)を満たすただ一つの \( X \) を行列 \( A \) の逆行列とよび、 \( A^{-1} \) と表す。例えば、
\[ A= \begin{bmatrix} 3 & 4 \\ 5 & 7 \end{bmatrix} \]
\[ X= \begin{bmatrix} 7 & -4 \\ -5 & 3 \end{bmatrix} \]
は、 \( AX=XA=E \) を満たすから、 \( A \) の逆行列は、
\[ A^{-1}= \begin{bmatrix} 7 & -4 \\ -5 & 3 \end{bmatrix} \]
となる。逆行列の定義は、
\[ AA^{-1}=A^{-1}A=E \]
となる。また、逆行列の性質は、
\[ (A^{-1})^{-1}=A \]
\[ (AB)^{-1}=B^{-1}A^{-1} \]
となる。
また、 \( (m,n) \) 行列 \( A \) の行と列を入れかえて得られる \( (n,m) \)行列を、 \( A \) の転置行列といい、 \( A^T \) などと表す。
例・・・
\[ A= \begin{bmatrix} 3 & 0 & 2 \\ 5 & 4 & 1 \end{bmatrix} \]
の転置行列 \( A^T \) は、 \[ A^T= \begin{bmatrix} 3 & 5 \\ 0 & 4 \\ 2 & 1 \end{bmatrix} \]