この連載は、現在高校で使われている情報Iの教材をベースにし、重要なポイントを整理して5分で読める記事にします。ITの基本知識として知る必要がある内容がたくさんあります。また大学共通テストに出やすいポイントを説明しますので、テスト対策にも役に立てば幸いです。重要キーワードを赤いマーカーで表記します。
N進数
コンピューターの計算はすべて2進数で行われています。つまり、0と1を使って、計算しています。なぜ2進数を使うかというと、コンピューターの内部の電気信号がデジタルなので、ONとOFFの2通りしかありません。0と1はこのONとOFFの2つの状態を表しています。しかし、我々人間は普段10進数を使っています。コンピューターの2進数がわかりにくいです。そのため、計算するときは10進数の数字を2進数に変換し、計算した結果を2進数から10進数に戻して表示します。
情報Iでは、2進数、10進数、16進数の換算を学びます。
今回、それぞれの換算方法を実例を使って見てみましょう。
10進数から2進数に換算
①10進数の数が0になるまで2で割り算します。余りをすべて記録します。
②0になったときの余りから、すべての余りを繋いで書くと2進数になります。
10進数の18を2進数に変換してください。
18÷2=9 余り0
9÷2=4 余り1
4÷2=2 余り0
2÷2=1 余り0
1÷2=0 余り1
10進数の18の2進数は10010です。
2進数から10進数に換算
①2進数の数を右から一桁ずつ0、1、2、3…のように番号を振ってください。その番号は指数として使います。
②2進数の数が1になっている桁に、底が2、指数が①の番号の数を掛け算します。掛け算の結果を合計した結果が10進数の数です。
2進数の00101011を10進数に変換してください。
2進数 00101011
番号をふる 76543210 ← 指数として
掛け算 1✕25
1✕23
1✕21
1✕20
合計 32+8+2+1=43
2進数の00101011の10進数は43です。
2進数から16進数に換算
①2進数の数を4桁ずつ区切ります。
②4桁ずつ10進数に変換します。
③16進数の表記に変換します。
0〜9はそのまま、10〜15をA〜Fに変換します。
10 → A
11 → B
12 → C
13 → D
14 → E
15 → F
2進数の11100101を16進数に変換してください。
4桁ずつ区切る 1110,0101
10進数に変換 1110 → 23+22+21=14
0101 → 22+20=5
16進数表記 14 → E
5 → 5
2進数の11100101の16進数は E5 です。
16進数から2進数に換算
①16進数の表記からそれぞれの桁の数を10進数に書き換えます。
②2進数と10進数の関係図を利用します。
2進数: 1 10 100 1000
10進数: 1 2 4 8
③上記の関係図を利用して、①の数の計算式を見つけ出します。
④それぞれ計算式に従って、それぞれの桁の2進数を計算します。
⑤すべての桁の2進数をつなぎます。
16進数の8Dを2進数に変換してください。
10進数に書き換え 8 → 8
D → 13
それぞれの計算式 8 → 関係図にあるのでそのまま
D → 13=8+4+1
2進数の計算 8 → 1000
D → 1000+100+1=1101
つなぐ 10001101
16進数の8Dの2進数は 10001101 です。
10進数から16進数に換算
①16で割る、商と余りを計算します。
②商と余りの数を16進数表記に変えます。
③上記②の結果をつなぎます。
10進数の249を16進数に変換してください。
16で割る 249÷16=15 余り9
16進数に変換 15 → F
9 → 9
つなぐ F9
10進数の249の16進数は F9 です。
16進数から10進数に換算
①各桁の数字を10進数に書き換えます。
②2進数と同じ考え方で計算します。ただし、底は16にします。
16進数の3E7を10進数に変換してください。
各桁を10進数に書き換え 3 → 3
E → 14
7 → 7
計算 3✕162 + 14✕162 + 7✕160 = 999
16進数の3E7の10進数は 999 です。
今回は2進数、10進数、16進数の換算方法を説明しました。基礎的な計算なので、ぜひ覚えてください。